工房の窓 (2006年10月〜12月)


2006/10/01

二反整経する場合・・・
裂き織りなど回転の速い整経は良く二反します。裂き織り用は経糸は20/2綿糸などを使いますが、
糸が太いと二反もすれば、山が大きく成って織り難いものです。最近はこんな具合に一反済ませて
隣に山を作ってもう一反整経します。そのとき一反済ませて糸はカットせずに隣に持っていきます。
一反済めば少し千切りを寄せて織るようにします。整経幅は希望より倍になる訳ですが、織れてる幅は
寸法通りのはずです。初めて行うときは短い整経から試みては・・・どうでしょうか?

2006/10/04

常滑屋の「日よけ」・・・
今回は毎度毎度雨が降る。日よけならぬ雨よけになっています。
ケナフは丈夫でどしゃ降りで無い限り雨よけに成っています。ぬれた様子も悪くない。
照ったり、降ったりしてケナフの表情がおもしろい。しかしぬれるとケナフ独特の臭いがする。
何時だったかイラクサを染めたときと同じ臭いでした。植物の臭いと割り切って使って欲しい。
乾けば臭いはないし素敵といって観光客がくぐってくれます。
ぜひ週末見に来てくださいませ。

2006/10/05

ケナフ糸・・・
ケナフ糸は麻の一種です。これも最近知りました。
環境にやさしいと耳にされた方も多いと思います。
しかし繁殖力が強い植物である事を頭に入れて、栽培を
してください。

今ケナフ糸を使って「日よけ」を織っています。山荘で
「日よけ」にと織り始めたものがなかなか山荘には
掛けられません(苦笑)。 織ってみて全然伸び(あそび)の
無い糸だと感じています。耳を気にすれば摩れて切れます。
単糸を使っていますので片一方にゆがみます。染めていると
臭いです。
しかし、気に入って織り続けています。ケナフ糸と柿渋にて
織りをしています。糸は太いので織り前が高くなって織り
ずらいけれど、 とても気に入って織りを楽しんでいます。

ケナフ糸は水分の吸いもあまり良くなくて、柿渋染めには
工夫が要ります。全て色素を糸に吸わせてから下水に流し
ましょう。吸着力が強くて付くと取れません。下水には
特に注意が要ります。色素を全て吸わす染色が必要です。
工房では山荘でも染めれる方法で染めをしております。

2006/10/08

ケナフ糸は雨が当たっても丈夫で、イメージ通りの「日よけ」が出来上がりました。
展覧会中ケナフの様子を見ることができたことを心から「常滑屋」さんに感謝します。
どんな状態でも対応できるものを出したと願いつつもの作りにいそしんでおりますが、
思えども手元から離れればなかなか様子を見ることは難しいもので感謝です。

95%イメージ通りでした、雨が降りつつけばケナフ糸が重くなります。
ボタボタと雨のしずくが落ちて・・・という感じではないですが、重く重量感が出て良いけれども
手作りなので手縫いでの良し悪しが反映すると感じました。縫う時に目を詰めればどうかと思い、
返し縫などせずに縫いました。今の所それでもいいのですが、結果的にはしっかりと返し縫いを
していた方がいいと思い、ミシン縫いをすることにしました。

日よけはつけ具合いで、感じが良くも悪くもなります。写真ぐらい張って付ける方が
よろしいと思います。 落ちてはいけないないでしっかりと固定又取り外しが楽な事が
楽しく付け外しが出来るポイントのようです。

写真の日よけは一日を終えての様子です。店内に掛けて帰るわけですが、
皆で掛かっている様子を見て、壁代わりの「間仕切り」でもいけるね〜好いねと
話しているところです。しっかりとした材質ですから本当に重量感があっていいですよ。

2006/10/09

台風崩れの強風で「刈萱」が5〜6日で乾燥しました。常滑屋に出かける前に
孫たちと取り入れて、押し切りでカットして段ボールに保存する作業をしました。

刈萱が生葉と乾燥葉では色は違います。乾燥は保存が効くためにしますが
多くを染めない場合は生葉が綺麗ですよ。
工房は両方染めて黄色にしてまたは緑にして使います

2006/10/10

刈萱・・・
今年は9/30に刈萱を刈り採り、ガレージに(雨が当たらない所)干す。
たくさんは無いが刈り取りすぐに干せる所が近いと作業が助かる。
しっかりと干す事が肝心です、保存しますのでかびない様に。
青い時に刈れば、青いまま残ります。長い時間保存してあれば茶が入り
黄色の色が少し変わります。今年刈り取ったものは一年位で使い切れば好い色がいただけます。
決していただいたものは捨てないでその色を染めてください。黄色は黄色ですから。

昨日押し切りでカットしておりますが、軍手を使いカットのときは指を注意してください。
保存はダンボールが一番。箱に入る長さにカットして保存します。はじめから4〜5cmには
カットしない方が色素が抜けにくいです。必要量4〜5煎出す事が出来て全て混ぜて使います。

2006/10/19

経糸の張り・・・
工房では小幅の中に異素材を使って縞を織っています。
経糸を張りまだテンションが均一でない時には、張りが
平均的に取れなくて織り目が波打つときがあります。

解消の仕方は10〜15cm織る。(そのときは自分が張りを
揃えていると感じること)そこに1〜2cmの厚紙を入れる。
そうして織れば張りは揃うはず、もしまだ波打つ場合には、
もう一度同じ作業をしてみる。
経糸の張りは整えて織り始めましょう。経糸に異素材を
入れて織る場合は張りが揃わない事が多々ありますから。

2006/10/24

晴れ渡る心・・・
今日は公募展の結果が工房にそれぞれから入ってくる。
初めて出品した人二名。昨年からここの公募展に再出品した。
二年前は事故のために出さなかった。
昨年も出品しただけ入る。ことしは16点出品して、
すべて入選内に入る。工房として走り出して20年。
作品を商品として認めていただけること20年かかりました。
まだまだですが1点1点を喜んでいただけるものを織ることを
忘れなければいいのかなとようやく思えるようになりました。
巣立っていた生徒さんが商品として織れる、うれしいですね。

今年は九名出品しました。常に話しています
「縞は誰でも織れます。あなた自身の縞を織りましょう」
縞立ても大切。色糸はもっと大切。色に自身の持てる織物を
作ってください。みなさんおめでとう!!

2006/10/27〜28

手板方式のすくもつくり・・・
今回徳島の佐藤さんのすくも作りの作業を見せていただく。
今は返し20回中の13回の所だそうで12月になれば工房にも届くわけですが、ビデオで拝見していても、
温度や匂いは判りません。本当に愛しんですくもを作っておいでの様子を拝見して、もっと心して
すくもを染めつくさなければと感じました。1枚の葉を大切に、足で踏むと藍が窒息すると言われた心。
返しは60〜70度になり、到底われわれには裸足で作業は出来ません。温度を足で感じる為に
作業は裸足でした。発酵する団塊でアンモニア臭がして、5分と作業場には居れません。

佐藤さんは今の匂いは若い暴れん坊のような匂いと話しておいででしたが、目は痛く、喉も痛く
しばらく何ぞはそこにはおれませんでした。 ほんまもんの藍を伝えたいと話しておいででしたが、
今だから次世代に伝えておかねば成らないと良くわかります。良いものは良い、本物は本物。
藍は染めたてに本物が区別できないそうです。ひどいもので今は匂いの香料まで付いて・・・。
本物は使っていれば判るそうです。本物は藍の色が出て白いものと一緒に洗っても脱水すれば
白いものは白いそうです。付けば化学染料。確かにそれは感じわかります。
何時までもすくもを作り続けてください。今回はありがとうございました。

2006/11/03

「ゆずりは」・・・
譲葉又は柊、杠葉とも書く。新しい葉が出てくると古い葉を
落とす植物のうちの代表的な木。灯台草(とうだいぐさ)科
又は譲葉科 初夏にうす黄色に花が咲き、夏に実が成り、
実はしだいに青く「ブドウみたい」大きくなる。

散歩をして見つけた木ですが、うす黄色〜鼠が染まります。
ウールで緑になります。今日も子供が
「ブドウみたい。お母さんたべれるの?」と聞いていました。
本当にそう思うほど良く似ています。
いただけるのでしょうか??私も知りたいな〜

2006/11/06

綛上げ・・・
チースで糸も求めた時は綛上げをしてやらなければ染める事ができません。
工房は一綛50gで綛を作っています。これは染めるにも楽な大きさで糸扱いも楽です。
綛を作って次は糸始末ですが、糸の始終を一緒に持って同じところで玉結びをします。
始終糸はあそびが無い方がからむ事も少なく楽です。又四箇所作る「ひびろ」は
同じ方向に玉結びを作っておけばどの糸から巻けば、扱えば良いのか判ります。

綛割り・・・
市販の糸は大きなものが多いですね。そんな時や糸端が判らなくなったときなど、
この方法を知っておくと便利です。
糸は向こうに軽く巻きます。手の甲は外に外にと運べば糸が分かれてきます。
分かれたときから少し丁寧に行えば糸は正直なもので割れます。糸始末は上記のやり方で
玉結びをしておくと便利です。


2006/11/08

縞の中にシルクの糸を少し入れることになり、生徒さんが頂き物の糸を使用。糸は反物になって
その役目を果たすものと使う事にしました。化学で落ちないと予想をしておいででしたが、
熱湯に入れると色が出始めました。化学もそれぞれの染め方があるようでなんとも言えませんが、
温度を掛けて色が出るようだと色落ちもするのではないでしょうか。話した結果使う事を断念しました。
そんなこんなで他の糸を自宅で糊付けをしていただく事に。

糊付け・・・
ボールに粉(糸の10%の小麦粉)を入れて、水を糸がさばける分量入れてしっかりと沸騰させる。
時間を掛けて沸騰させその中に糸を入れて10分。糸と糊をなじませて再度沸騰させ、放冷させて
脱水して干す。糊付けは乾けば使えます。

オイルまわし・・・
糸を最終的に使う前、必ずオイル回しをして使います。工房は綿実油を使用。糸をしっかりと目開きして
その湯を使います。糸を出してオイルを入れ、糸を入れてます。糸とオイルをなじませて10分くらい
沸騰させて放冷。干して使います。 オイルは気持ち多い方が糸のすべりや扱いが良く、この綿実油であれば
ベタベタしません。 色々試してみるとオリーブ、胡麻など香りがあるものはべたつきます。
綿実油がなければサラダオイルをお勧めします。

2006/11/09

焦茶染め・・・
工房では焦げ茶をあまり染めません。なぜなら媒染は明礬とだし金のみ。
銅などその他の媒染を使えば容易く焦げ茶が出ます。今回生徒さんの焦げ茶を使いたくて
染める事にしました。
まず茶色をしっかりと染める。工房では8〜10回位で茶に染めます。その上にはじめて
だし金を使って焦げ茶にします。今回は矢車で染めだし金を掛けて染めました。
イメージした焦げ茶には、少し赤みが入っております。なぜかと言うとだし金を使う時は
染め終わりに酢を加えます。そうすることで鉄臭くなく色素も全て吸ってくれます。
黄色から緑にするとき、だし金に酢を加えると緑ではなく黄色に戻ります。
入れるか入れないか迷った末、酢を入れました。入れなければイメージの焦げ茶です。
しかし糸をいためる事も考えれば入れるほうがいいのではと思い入れました。
色は焦げ茶を希望、参考に色々染めてみてください。

2006/11/20

生徒さんに糸をどうぞ・・・
糸をいただきに行きました。でもその糸は少々汚れていて
綛が太く扱いにくそうでしたので、工房で差し上げる前に
精錬などして糸の状態を見ることにした。
綛はウール用の綛上げ(円周約155cm)で1綛200g近くある。
糸は汚れている、長い間倉庫に眠っていたのか。
ようやく糸が活きる時が来たのかな。
11月25日「和・なごみ」勉強会で差し上げる予定でいるが、
綛を分ける方法やこの糸使い、差し上げてごみを分けるような
ことになってはならないと。この糸を使っての作品作りまで
話しながらの山荘での勉強会が近づく。
今回はストーブを囲っての勉強会。楽しみだねと二人で
楽しんでいます。

2006/11/21

「焦げ茶」・・・
工房では「赤・茶・黄・鼠・肌・緑・紫・紅・藍」と必要な色は
豆汁染めで染めることができます。最近何年も焦げ茶を染めていない。
染めたいと思いつつ、今になっていまいましたが、今回生徒さんに
焦げ茶を使いたく染めてドラムをしました。思ったより染まりました。感謝。

染め方・・・
8回重ねて茶色に染めて、9回目に矢車の出しかねで染めました。
2〜3度染めるようかと思っていましたが、1回で良かったです。
銅媒染は使いません。茶を染めるの8〜10回は重ね染めをします。
明礬では焦げ茶は無理です。そこでタンニンの多い染材で染めることに
しました。だし金で媒染すれば焦げ茶になります。良い色ですよ。


2006/11/29

癒される糸。色・・・
染織を毎度毎度染め続けているのですが、染め作業の時天然染料は心を癒します。
材料を採取の時の枝を落としたときの木の香り。液出し最中の枝葉の香り。
染め作業はもちろんですが、染めて良いよと液が合図をくれる瞬間。
どれも良い時間です。
それに何よりなことは四季を通して染材が手に入ること。入る材料を必要なだけ
使えば良い訳です。天然染料は自然の恵み!手を掛けず自然の色をいただきたいもの。
天然染料は豆汁をすれば簡単には褪せません。
自然だから褪せて当たり前なんてことは言わないでください。思わないでください。
染めには手を丁寧に、心を込めて染め重ねてやれば、それだけ色は答えてくれます。
そろそろ冬青が染める季節です。さて今年の冬青は如何な色でしょうか。
樹木からいただいた色はどれもこれもすばらしい色です。

2006/12/10

紡毛機に思いをこめて・・・
山荘に持って上がった紡毛機でサフォークの原毛を紡ぐ。
いただいたときは汚れがひどいものです。
湯にモノゲンを入れて原毛を丁寧に洗う。洗いきって干す時分には原毛が愛おしくなる。
見事にきれいになるのである。しっかりと網の上で干して、染めて紡ぐのであるが、
原毛は木綿棉とは違って紡ぎよく糸に成るのが早い。一晩で意外と早く紡げる。
木綿はそうは行かない。だから原毛の紡ぎはおもしろい。
本格的に反物を織り始める助走として色んなことをして来たが、長く同じ作業ができない。
もう少しと思っています。竹糸織物を再開したいと織りに入りました。
色んな作業をこなしながら織りを続けたいなと思っています。
やはりやり続けたいことは染織。反物を織ることですから・・・


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