工房の窓 (2003年6月〜7月)

              

6月1日

今年は台風も早く、雨もけっこう多い。
豆汁は毎回、作業時間やはたく回数など微妙にちがう。すべてが自然相手の為!!!
二日くらいお天気を気にしてやるといいと思う。
台風の後のように風が有り過ぎても糸が暴れて良くない。
愛知、今日は強風にて 空は快晴、しかし豆汁はしない。

              

6月2日

合歓の木の花がさいたよ!
南知多の山の中にたくさんある。
ねんねのねむのき。。。。歌がでるが、色の世界でも良い色をいただく。
明礬(みょうばん)でやわらかい黄色。だしがねで緑かかった鼠色。いつも6月中に染めている。
色を見ていただきたいものですが、デジカメの腕がダメなのか糸の色と同じに成らないのです。
色を感じてみてください。 

              

6月4日  豆汁談義

お稽古をしながら、工房で豆汁をする場合、精練していた糸は、湿らせておきます。
また精練し立てはそのまま使います。

豆汁の中にしっかり、まんべんなく浸しておきます。(豆汁は煮ません
豆汁の処理をして作業場に干し、乾燥させます。
いきなり部屋に入れると、中々部屋の空気は動ごいていないので乾きが悪い。
できるだけ最初は素速く乾燥させる。
それから時間をかけて一ヶ月枯らします。
まずは、軒下など雨がかからない所で干して乾かすなどしてみてください。


               

6月5日

初回の染めについて
一度に工房では藍染めと煮染めをする人がいます。
煮染めで初回は茶色、赤は染め液に入れるとそれなりの色が付きます。
しかし、黄色,鼠、肌色は、染色、媒染、染色して初めて色が見えてきます。不思議です。

               

6月6日

写真は、今日二回目の染色です。
いつものように割り染織をして放冷している
所です。
今回も糸が液の中にある色素を吸う染色で、
二回目の工程をこなした物です。。
これを何度も繰り返して希望する色に重ねていきます。
手間を加えた分だけ良い色が染まります。 
「割染色」に触れたので やり方をおさらいしておきましょう・・・。
草木染め(割染色)についても参照してみてください)

まず染液を作ります。「割染色」はそれを何度かに分けて染めるわけです。
 
今回は一回4リットルの原液で染めを行います。
液の中の染料の割合を考えてあるのですべて色素は吸います。
つまり10回で40リットル分になります。

10回に分ければ、染料が液中に残らないので透明な液で下水に流せます。
もし、40リットルを一度で染めれば、下水に染料で吸収されなかったものが残り、にごった液として流れます。
それでは染織活動で自然に優しいどころか 自然を汚してしまうので、
私達は手間はかかっても、「割染色」 これでやり続けます。
  

               

6月8日

庭に紅白の大きい萩の木があった。工房を立てるにあたって植え替えを余儀なくされて移した。もう3年目を迎えるがいっこうに大きくならない。前はしっかりと日があたり2回剪定して染めに利用していましたが利用出来なくなり茶のバリエーションに困る。萩の茶色は私は好き!!
代用に赤茶をしっかりと染め重ね、栗、クヌギ、矢車附子などを重ねる。これも良い色です。
 

                

6月9日 豆汁談義

豆汁には、私どもは一晩水に浸してから、ミキサーにかけ使用します。
今回、ご質問を頂きました

「Q:お豆腐屋さんの豆乳を使用して良いか?」
   市販している豆乳は豆汁として使えますか?
   染料店の豆汁はどうなんでしょうか? 」 などなど。
 
 
また、「豆汁」という下地の方法は私どもが考えた事なのかとも・・・・?

答えとして申しますなら・・・
豆汁のことは、草木染めの本に出ております。
ただ、良く聞く話は
やったけれども、ムラになった。よくわからない。などなどの声をお聞きします。
「平成の縞帳」では、自分たちがやり続けての結果としての豆汁についてとして
発表しました。

自分たちのやり方以外はわかりません。
目的は、「下水を汚さない」ということなのです・
重ね染めをして、色が退色しにくい物を生み出したい。それを願いつつ染織しております。
良い色が戴けます。

                

6月10日

今年もついに、梅雨に入りました。明けるしばらく豆汁はさけた
ほうが良い。一番良いのは、カラッとした晴れた、ほどよく風が
ある時です。その代わり、しばらく湿度があるので竹の糸、麻などが
織りやすく私には嬉しい時期です。あなたはいかがですか。

               

6月13日

今年も末娘の所で赤麻を採取する。
13〜14日と行く事があり、赤麻(アカソ)を見て来ました。
大きくしっかりと葉も充実して採取が楽しみですねぇ〜!6月末にいただく予定です。

1mにも成る茎は麻の繊維になって利用していたそうです。
私共はロープするためのカラムシを、明治頃栽培されていた物が今も近くで何箇所かに有り、
それを採取するので、繊維としては赤麻は使いません。
赤麻すべてを染材として利用します。
中性で出し、数日おいて染めます。赤茶に染まります。

                    

6月14日   豆汁談義

豆汁を作り、糸を満遍なく浸して一回目をしっかり絞ります。
たっぷりと汁は残ります。
しっかり乾かして、二回目今度はよくよくすべての所が二回目が付いているように浸し、
しばらくおきます。
今回はしばらく置くと汁は無くなり、そのまま絞らず干します。
一回目より神経を使って丁寧にはたきます。
こうすれば一本一本がパラパラに成り、「本当に濃染してないの?」と思うほど綺麗に染まります。

              

6月16日   豆汁談義

生徒談  「工房でする豆汁と、自分でする豆汁が手触り(柔らかさ)がちょっと違うんです。」
 
理由を考えてみました・・・ 天気は良いどうだったか?
                ミキサーの大きさか?回転数か?
                 
                分量は同じだったので、後は、回転させていた時間
で、
                豆汁の濃度が問題ではないかと思います。 
 
                 ⇒工房では、1800ccのミキサー使用しています。
                   小さめのミキサーでは3回に分けてやる方が良いと思いますよ。

             

6月19日

ざざ〜っと大雨。台風6号の影響ではんぱではない雨。。。まったく、染めには困る。
今年は早くから台風がやって来ているので 狂ってしまう。
例年は豆汁をして、一度でも
染めに入ると干して染めてと糸がじっととする事はない。
がしかし・・・今年は雨が続く。
糸をカビさせない様にしなくては。まったくぅ〜〜!!豆汁ができない。
こんなことも、珍しいなぁ。

                           

6月20日

先回川越にて「豆汁処理」の一日講座をしました。
染めた時の感想は。「良いですね」
             「こんな良いもの有るのですね」
             「これは良い」

葛でミドリに染めました。 「しっかりと染まりました」  などなど。

ありがとう。染めてくださって。
2回目はすこし時間をあけて染めてみて。
8月30日茨城県つくば市にて「豆汁処理と割り染色の方法」をします。
今度は,ゆっくりと割り染色しませんか。

               

6月21日

生徒さん談
「発想の転換は暮らしの中から!!」と言う話をしていて、私の父の言葉を思い出した。
「工夫と努力は進歩の始まり」と・・・。

物作りは、一に工夫,二に努力そして発想の転換。
結構,思いついた事に・・・面白い事が多いと、私も思う。

               

6月22日

今年も綿を植えた。昨年は茶綿だけでしたが、白綿も植えました。
久しぶりに藍も植え,例年の小鮒草も植えました。
「鳥居さんいつもありがとう!」
小鮒草がもう30cm位に成長しています。
秋にはきれいな黄色をいただけそうです。

             

6月23日

豆汁に、小ばえが付いて・・
今,梅雨時期は豆汁のしたては、小ばえが付いたり,豆の臭いがしたりします。
湿度が多くて、なかなか乾燥仕切らないのが原因なのですが・・・。
梅雨時期は出来れば豆汁は
さけた方が良いと思います。
どうしてもなさるなら、扇風機などで速く乾燥させる
ことです。
また、枯らし期間を一ヶ月にこだわらないで、しっかり臭いが
無くなるまで枯らしてください。

              

6月24日
竹の糸・・・今回で何回目になるだろうか。
初めての素材を触るうれしさと
恐さを、毎回のり抜きの時に思い出す。
豆汁をして良いものか、ゴワゴワに成って使い物に成らないのではないか・・・、
いろいろ考えて,初めて少し戴いた竹の糸を染めて、のりをして糸準備に入ると大変だった。
一つの棒のようになって
綛返しをしなくては進まないことになってしまって、何とか半反織りました。
以後,豆汁をして染織をしています。豆汁をすると一本一本に成り、けばも少なく、今が織りやすい時期です。

             


6月28日

今年も沢山の赤麻(あかそ)をいただく。知多半島には見当たらない染材なので貴重。
染材を蒸らしたり、乾燥させたりしないように注意して持ち帰り抽出する。5〜6日して染める。赤茶が染まる。

             
             

6月29日

今、合歓の木が美しい、と同時に黄色とみどりがかった鼠色が染まる。
生葉や枝など材料にする。
工房では重ねて合歓の木で染め、その上に水ナラを染めて(つくばにて)良い黄色を染めた。
しっかりとした鼠色に染め、紺に中に入れると銀鼠に見えた。

             

7月5日

こんな文章を読む。
染色は手先きで染めるものではなく、腹で染めるものだと言うも過言ではない。
「煎汁液や媒染剤の濃淡とこれに浸す時間によって、同じ材料でも色調がいろいろに
変って来るものであるから、永い間の経験と微妙な呼吸に依らなけばならない」と。
もの作りはいつも思うが、工夫して努力して進歩すると言うところに行きつく!!!

             

7月6日 

今年は今まで感じた事の無い梅雨で・・・。
竹の糸を染織し初めて糸をカビさせてしまった。
豆汁をして染色して初めて判るもの。
一度に四色染めるが、一色の赤色が色に艶、張りが無い。
他の色(糸)と明らかに違う。
カビのところが白くなって染めらない。糸が同じ付近で切れる。

カビが来たのはこれで二度目。一度目は豆汁をやり始めた頃・・・。
それは散々でどんな事が有っても糸を使う私も使いきれなかったのです。(先回は絹糸)
今回はそこまでひどくは無いが、カビの事を考えなければ成らないことに改めて気付かされた。

             

7月9日

6月28日に液出しした赤麻です。今年も良い色戴きました。
ありがとう!!!一年でこの時期だけに染める事が許されている感じのもので、天然染料には多いのです。
どうぞ植物の性格をよく知って、楽しい染織をしてください。
今回必要な量だけ取って余す事なく。使いましょう。

1〜2煎の染液 3煎以上の染液

            

7月13日   「糸にカビ」
一ヶ月立った豆汁糸を染めて初めて解かること。一度に何色を染めて
艶、張りが無く、同じ付近で切れる。あきらかに糸が傷み、ある所は
白く染まらない。その他の糸、色と違う。
今は工夫してカビから豆汁糸を守る。抗菌剤は薬品には有るものの、自然の中の何かを使って。カビに効くものはないか。どなたか教えてください。

           

7月15日
「私達がする染織は、同じ工程をひたすら繰り返す事」
液を作る。糸を繰る。糸をはたく。干す の繰り返しです。
ゆっくりと長く続ける自分との対話だと思います。
いつも何か思いは動いて揺れています。

           

7月17日 自然にゆだね盆栽見守る 一部中日新聞の抜粋より

意識的に形をつくる一般的な盆栽ではなく、時間をかけて植物と関わり合いながら自身の思いを込めて、出来る限り自然にゆだねて行く。日々静かに流れる時間を待ちうける感覚を大切に・・・時の流れが個性をはぐくむ・・・毎日その植物との気持ちのやり取り、かかわりの時間があって、今日があるということを大切にしていきたい・・・ 中日記事ヨリ 
私も同感です。
植物からいただく色は、色を出すために植物は有るのではなく、たまたま人間が薬効として身にまとい・・・初めて何かに付いた色。これを装飾の色として生かしたことの素晴らしさ・・・
必要なだけ戴いて、丁寧に色を分けていただき、これからも縞柄にちょうだいしたいと思います。
身近にまだ自然があることに感謝して。

           

7月18日 名博の準備も整う!!!

「尾州の縞」今回のテーマは崩縞   一崩〜四崩そして変化させ縞の中に崩。格子と縞。
縞は工房にとって永遠のテーマになりました。
縞帳も少しづつ手から離れ、多くの方々に使って戴いております。ありがとうございます。
会場にて多く方と語り合いたいと願っております。
会期中おりますのでお声をかけてくださいませ。

           

7月19日 和とじ本

工房では皆で織った裂布を貼って各々の縞帳を作っている。
一冊目は市販の和綴じ本を探して貼っているが、
和綴じ本を自分達で作りたいと思い、紙の温度さんで1日講習を
受けて来た。

「一見簡単そうに見えるが・・・案外と難しい」
でもこれを10月のかぶら山荘での実習項目にしたら良いのでは
ないかと、考案中。

興味のある方は、どうぞご参加ください!
 
          
7月20日 

豆汁をされた方が意外と多い。で一度でやめておいでのようです。
なぜでしょう??
学校で数字(何に何グラム)とやって来た方(私も含め)にとって、薬品で手軽にする染色が楽ですよね。
でも自然相手の豆汁又染織には数字は邪魔!!!なんです。
しっかり基礎を理解して進み、天気・風・温度・湿度などを感じながら工夫努力すれば、
素晴らしいものが生まれています。
物作りのためのには時間がいくらでもあるはず。時間が生み出すのは自分自身ではないでしょうか。

            

7月21日

エンジュが咲き始めました。
よく見かけるのは花びら染めなのですが、
工房ではつくば時代に花・蕾・枝葉で染めました。
染める機会は1年でしたが、オレンジ色になり素敵でした。
しかし退色してしまうので色の一つには加える事は出来ませんでした。
工房の近くの街路地にあって、それを横目に「今年は染めて見ようか」と思いつつ名博(名古屋市博物館)の展示会に入りました。
一度染めてみてはいかがでしょう。
            

7月23日 名古屋市博物館 ご来訪くださった方の言葉・・・

・毎回縞を見るとエネルギーを貰います。
・色を見ると大変さが解かります。
・今回のテーマ「崩し」を見て、こんなに離れた所からでも「崩し」が゛崩しだと解かるんですね。
・草木染めとは思えない、良い色ですね。
・会場に入ると縞が色が語り掛けてきます。
・おじいさんやおばあさんを思い出します。
・セル。懐かしい言葉『忘れていました』よく着たものです。
・セル。今は見ないですね。

嬉しい言葉を沢山頂戴しました。ありがとうございます。。

名古屋市博物館展示会の様子 はこちらから

            

7月24日 近くにエンジュがあれば
雨に当たっていない新しい花が道路に落ちていると(早朝が良いでしょう)、ほうきで掃き集め持ちかえり、
花と石ころに分けて、出来るだけたっぷりで抽出して染める。
採取した花びらは乾燥しても使用できる。
AL(アルミ媒染) 黄色〜オレンジ  Fe(鉄) ミドリがかった鼠色

               

7月25日

 

名博の前の街路地は南京ハゼです。
今エンドウの大きさの実が鈴なりです。9月以降、葉や樹皮で茶〜鼠が染まります。
秋になれば赤い実になり、はじけて白い傘をつけた種が実り、四季を通して愛でる事が出来
私も好きな樹の一つです。

              
7月26日
 
やはり、豆汁の事で話しは盛り上がり、ムラになると「や〜めた」と皆が皆おしゃいます。
で・・・私は何度もクリヤーすればこんな色になります。とお話します。
是非是非、縞帳を求めてくださった方、豆汁して見せてください。
回数を重ねないと上手くムラにならない方法までたどり着かないかもしれません。
その過程でお悩みのことは多いに尋ねてください。
たくさんの方に豆汁をしていただきたいと思う気持ちがある以上、全国どこへでも伺ってご指導いたします!
豊かで実りあるこれからの未来の自然のために、少しの努力の形を一緒に見つけていただきたいと思います。

              

7月27日

『平成の縞帳」について。
「写真が無く、文章ばかりで飛ばして縞割りを見ています」と言う声を聞きました。
本を作る際、写真の事は私どもも考えましたが、カラーを入れれば本代が上がり、それではたくさんの方に届かない・・・と言う結果になってしまう。本を必要をしている方々に届けたいと思いました。

本をコレクションの一冊にはして欲しくありません。ボロボロになるまで使っていただきたいと願っています。
豆汁がムラになる・・・それなら豆汁をして工房をおたずねください。
やっていただきたくて、本でホームページでオープンにしております。
豆汁をして割り染織して行けば、堅牢度の良い草木染織ができるとこれからも声を大にしていきたいと思います。

             

7月28日

名博も終わり、梅雨も開け、
いよいよ『豆汁の季節』到来!

久しぶりに生徒さんの一人が
布の豆汁布で染色をしました。
布にも
和紙にも良い豆汁です。
今回は二色染めでしたので
この様にして染めてみました。

糸染めより、一回で終わりたい
との事で、染め液も媒染も多くして
行いました。
絞るときはカビますので
一度で染めをお奨めします!!!




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